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突き放したはずなのに普通に話を続けてこようとする五条くんは謎の言葉を呟いた。ポソリ。私にしか聞こえないくらいの小ささで呟かれた言葉に怪訝な顔をする。しゃとりゅ? しゃとりゅってなに?
「奥、らめ、おく、こないで、奥、こするのダメ……」
「……あああああああ!」
言葉の意味を理解して発狂した。赤面なんてしたのはいつぶりか。今にも火が吹けそうな程、顔に全血液が集まっていく。
こいつが今言った台詞はあれだ。『アレの時に私がアレでアレした台詞』だ。包み隠さず言うとしたら『えっちの時に私が無意識で懇願した台詞』だ。
それを盾にとってくるとは。なんたる不届き者。
てめーがしたのは半分レ〇プなんだかんな。仮でも彼女って名目が無きゃ今頃お縄についてんだかんな。今そうやって貴様が笑っていられるのは私に一縷の優しさが残っているお陰だと思え。感謝しろコノヤロウ!
「……なに、もうなんなの。手短に話して。十文字以内で。それ以上は聞かないよ」
ただもうこれ以上恥を晒されるのは私の心が死んでしまう。
こいつのことだ。次無視なんかしたら多分躊躇いなく言いふらし私の心を殺しにくる。歩くスピーカー再来である。そんな生き恥晒すのだけは耐えられない。自害の一択だ。
突然こいつの睾丸爆発したりしないかな、縁起でもないことを考える中返事が返ってきていないことに気づく。
五条くんの顔をちらりと見てみる。彼は未だに忌々しい笑みを浮かべながら予想外の言葉を放った。
「デート、しない?」
「はい……?」
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作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時