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野薔薇と伏黒くんの声に真希と呼ばれた彼女が叱咤する。(パンダはやっぱりパンダだった)
サボりじゃないと断固として言い張る虎杖くんに現実を突きつけてやるも、パンダが少し興味を持って問いかけてきた。
「先生と付き合ってるんだって」
「えぇ、マジ? あのごんたくれに彼女なんていたのかよ」
「真希、気持ちは分かるが控えろ」
「ツナマヨ!」
「え、棘も聞きたいの?」
「しゃけしゃけ」
あの敵意はどこへやら。
ワクワクと心躍らす棘は白米に合いそうな具しか話さない。なに? おにぎりの具か何かか? そういう呪い? 話云々以前に、それが気になって気になって仕方ない。
頭を悩ます私の前で、これは見過ごせまいと野薔薇が強力な味方を後ろ盾にしたかのごとく捲し立ててきた。
「だってAさん。やっぱり教えてくださいよ! 後生だから!」
「何が後生だ。野薔薇が聞きたい話はしたくないって言ってるでしょ」
「高菜? こんぶ?」
「違う、そんな話じゃない。【自主規制】の話聞かせろってうるさいの」
「なんで大した関わりもねぇのに狗巻先輩の言葉が分かんだよ……怖ぇな……」
ボソッと呟く伏黒くんの言葉はスルーしつつ、遠い目を見せてやった。
ぶっちゃけ分かっている訳ではないが、なんとなく違う気がした。というか、【自主規制】の話を聞きたいだなんて異性に言える男の子なんて普通はいないだろうし。普通に言葉に出せるのは野薔薇くらいだと思う。
「ひとつだけ! ひとつ聞いたら稽古戻るんで! お願い!」
「まぁ五条の弱味握れんなら私も聞きてぇな」
「えぇー真希まで……」
「……」
諦めの悪い女の子達に囲まれ、話さないといけない空気を作られてしまう始末。
男の子達がそんなん聞きたかねぇと揃って白目を剥く中、一緒になって白目を剥きながら意を決した。
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作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時