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再び勝手に組手を始める一年生達にそんな声を漏らしたのはパンダだ。
正直名前は知らないが、見てくれからパンダだ。パンダとしか言い様がない人……着ぐるみ……動物……んん、パンダを見上げていると視線がかち合った。
「ん、アンタどっかで会ったような……」
「こんにちは」
「おかか」
パンダの隣に立つ、眼鏡をかけたポニーテールの女の子に挨拶をかませば、『おかか』と呟いたマッシュヘアの小柄な彼は敵意剥き出しに私にキツい視線を浴びせてきた。
パンダがマッシュくんに首を傾げる。
「え? どした棘」
「おかか! おかか!!」
「やめてよ、私は敵じゃないよ。そんな拒否らないでくれる」
「……こんぶ」
落ち着けと告げてやると、彼は『こんぶ』と言いながら大人しくなった。よく分からんが落ち着いてくれたなら良かった。
私が彼らと会話していることに気づいた様子の一年生達が組手を終え、戻ってくる。
引っ掻き傷やらボサボサの頭やら。三者三様ボロボロだ。まるで兄弟喧嘩だな。
「あ、パンダ先輩」
「真希さんに狗巻先輩も……どうしたんです」
「お前らがなかなかこねーから来てやったんだよ! サボってんじゃねぇぞ」
「だから! サボってないんだって!!」
「最早サボりだよ。私と悟の話聞いても何の得もないでしょあんたら」
「悟? 悟の話ってどういうこと?」
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作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時