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なるほど、だからスタミナとセットで呪力量上げろって話か。
スタミナを上げて煙を充満させる力と逃げ惑う体力の向上をしつつ、導火線自体を進化させて起爆力と伝導力の向上に重きを置けと。
まぁ言ってしまえば即戦力になることは諦めて、時間という縛りを上手く使い、後手後手に回るスロースターターを極めろというところだろうか。
確かにそれなら威力は落ちず、実質の時間短縮にもなりそうだ。
五条先生は飽き飽きと萎えた様子でチョークを放る。粉々になったチョークに罪は無いはずなのに、なんだか申し訳ない。
「それは分かりました。でも逃げ惑うっても、だったらその間戦うって選択肢はないのでしょうか。保身一択なの?」
「まぁ体術鍛えんのも手なんだろうけど、自分から遠距離術式の利点潰してたら世話ねーだろ。お前の術式は式神使いのそれと一緒。自分の手を汚さず使える。それに俺は出来るけど、呪具片手に煙吐きながら片手で戦うなんて器用な真似お前に出来んの? 俺は出来るけど。あとなんかA弱そうだから」
俺は出来るけど! と強調しまくる五条くんはまた毒を吐きまくる。やっぱりメンタルトレーニングだったか。
そして最後の余計な一言は聞かなかったことにする。
こいつはまず、見た目で人を判断してはいけないとその身をもって知るべきだ。と、思うのと同時にあながち否めもしないので聞かなかったことにする。
「なーのーでー、今日から暫くそのお稽古です」
「はーい、よろしくお願いしまー……」
って、ん?
言葉の綾だと信じ五条先生をチラッと見つめれば、彼はニヤッといやらしく笑いながら言う。
「今夜は、寝かさないよ」
その言葉にヒクッと口角が引き攣って。
これが本当の言葉の綾というものだと、その妄がましい言葉と表情を見て痛感した。
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作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時