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目の前に立てられた二本の指をへし折ってやりたい気に駆られる。こいつがやるとピースに見えて仕方ない。
「……なんでそんな無駄な嘘ついたのアンタ」
「いや、お前はどーするかなあって思って」
「はい?」
「特級って嘘ついてさ、しっぽ巻いて逃げるか、俺を頼ってくるならもう底上げなんてする意味ねーなーって思ってたんだけど、ちゃんと向かってったからさ」
「今回はそれを見たかっただけ」と、悪びれもなく言い放った彼が諸悪であることに違いはない。しかし、特級か二級かすら区別のつかなかった私が咎められることでないのも確かだ。
でも、あの時は必死でそれどころじゃなくて……と心内で言い訳してみるも、私の観察眼がクソであることに変わりはない。明らかに経験不足である。
その結果、五条くんを睨めつけることしか出来ず。家入さんが遠巻きで同情するよと言いたげに鼻で笑っているのが見えた。(これだから出来る人間共って奴はァ!)
「そしておめでとう! これで晴れてお前は二級術師です! 今日から大手振って歩きな」
「死に晒せ五条」
「えー、呼び捨てにするなら悟がいいな♡」
「死に晒せ五条」
何が♡じゃ。思ってもねえこと言いやがってくそが!
トーンも言葉も少しも変えず突き放した私に、五条くんがちぇっと口を尖らせる。可愛らしさの欠片もありゃしねぇ。
「とりあえず上の連中一泡吹かせたから、次はどうしようかね」
「五条を殺すに一票」
「真面目な話だってばよ」
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作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時