*** ページ23
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「お、起きた」
「やぁ、おはよう」
目を覚ませば、ちかっと目が眩む先で見えるは忌々しいニヤケ顔と目元の黒子がいやらしい整形の良い顔。
見知った顔が二つ、私を覗き込んでいることに自分が置かれている状況を掌握する。
「……死んだ?」
「いんや、生きてる。正真正銘の人間です」
あぁ、死んでなかった。どこか安心した自分と死んでおきたかったと思ってしまう程気だるい体に思わず苦笑を漏らした。
「ご感想は?」
「……疲れた」
「まぁ呪力使い過ぎてるからね。まだ寝てていいよ」
家入さんに気遣いのような言葉を投げられて、起こしかけた体をベッドに再び放りだす。
スプリングがぎしりと軋むのですら疎ましい。凄まじい倦怠感と脱力感だ。
欲望に逆らわず目を瞑ると、浮かび上がった光景は戦の最中。
まさか私の術式があそこまで通用するとは思いもよらなんだ。やれば出来る子だったのか、私。
ただ、特級……にしては弱かった気ぃするな……。
あんなもんなのか? いや、だとしたらこの世の中特級術師だらけになっちゃうと思うけど……特級なんて相手したことも無かった故にいまいち正解が分からない。
「ぴんぽーん」
「?」
「お前の考えてるそれ、正解だよ」
「??」
「ごめん、仮想怨霊ってのは嘘」
「え?」
「あいつは特級仮想怨霊なんかじゃない。ただの二級呪霊」
70人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時