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いつの間にか高専外に立たされていた私は、呆然と目の前に佇む建物を眺めた。
背筋が凍るような禍々しさを放つ建物は、明らかに私の許容範囲を超えている。
どうか私の思う展開にだけはならないでくれ。一心に平然と隣に立つ五条くんをちらっと見つめた。
「何級……ですか……」
「何級だっけ?」
「今日は見込みでは一ですね。最低でも準二……いや、二かな」
「だそうです」
「……」
補助監督がタブレットを眺めながらサラッと告げたことにも唖然とする。
待て待て。一級って。私等級無いって言ってんじゃん。マジでなんで私連れてきたの。私は五条悟どころか夏油傑じゃねんだぞ。
二級でもまともに張り合うには万全を尽くしていけるかいけないかだというのに、一級なんて荷が重すぎる話だ。死に急げと言われているようなもの。
「ほい、行ってらっさい」
「は?」
だというのに、五条くんは軽薄にも私の背中を押し建物の入口の前に立たせた。てか、行ってらっさい……?
「え? アンタは? 行かないの?」
「行かねーよ。俺が行ったら意味ねぇじゃん」
「ちょ、ま、え? 無理だよ? 普通に底知らんくても無理って分かるよね?」
「大丈夫大丈夫。もし死にかけたら助けてあげるから」
「死にかけたら!? 死にかける前に助けてくれるかな」
「屋内だし、密閉空間だし。お前の領域みたいなもんだろ。行ける行ける」
「軽いんだよてめーは! 行けねぇって言ってんだろバカタレ!」
「うっせぇなぁ。御託はいいからはよ行けべらんめぇ」
「べらんめぇはてめーだ!」
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作者名:優 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年3月11日 18時