３…side:You ページ41
☪*｡꙳
あ。そうだ。不動峰の神尾くんだ。
リズムしか印象になくて名前を思い出せずにいたが、流石我らが部長。サラッと教えてくれてありがとう。
心の中で御礼を告げながらリズム君もとい神尾君の顔をチラッと覗きみれば、彼は嫌悪溢れる目で跡部を見つめながら舌打ちをした。
跡部に舌打ちできるのは私くらいなものかと思っていたがやるな神尾。
少し感心しながら彼の顔を見つめていると、視線に気づいた神尾君が私の存在に気づいたようで再びギョッとしていた。
「え！？ 女連れ！？ またナンパでもしてんのかアンタ」
「あ、いや。私は……って、え？？ また？」
「……おい、余計なこと言うんじゃねぇよ神尾」
「なにそれ、アンタやたらとストリートテニス場行ってると思ったらここにナンパしに来てたの？」
「ばかか、んなわけねぇだろ」
「なんて言われたのか分かんないけど、辞めといた方がいいと思うよこの男は。俺見たからさ、デートしようって杏ちゃんに言い寄ってるところ」
「……へぇ、そうなんだ……まぁ今更驚きもしないけど」
「うるせぇな。そんなの三年も前の話だろうが。それにあれはちょっとからかっただけ……おいやめろ！ その冷えた目で俺を見るんじゃねぇ！」
いや、見るでしょ。まぁ分かりきってたことだけど。
普通に「へぇそうなんだ」で聞き流しただけまだ有難いと思って欲しい。
これがご褒美デートでなければ、この時点をもって平手打ちかまして即帰宅しているところだ。
まぁ別に強制力も無いのだから帰ればいい話なのだが、それはいかんせん私の無駄に働いたプライドが許さない。
やめろと言われたのにも関わらず冷めた目を送り続けていれば、神尾君にグイッと腕を引かれた。
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作者名：2ytluvuusham081 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時：2020年10月19日 0時
