脳漿炸裂ボーイ４【跡部 景吾】

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やっぱりダメか。






もしかしたら、彼らが挙動不審だったのは

このせいだったのかもしれない。






跡部先輩を放置して、俺らに構ってる場合じゃねえだろお前、

って事だったのかもしれない。






なんて彼らの挙動の真意を仮定していると

部ジャーを着た1人の女の人が私に近づいて声をかけてきた。






「……はい？」






「さっきボールの処理頼んだ子だよね？ あのボールどうした？」






「あ、あれなら全部出して宍戸先輩に渡しました。

古いのは、後でまた回収して、」






「なんで？ 私すぐやってって言ったつもりだったんだけど」






うわぁ……これは……






噂によく聞く新人イビリだ……






鋭く私を睨んだ彼女にひゅっと息を呑んだ。






かといって、この人は私が跡部先輩に構われてるから

嫌がらせをしようとしている訳では無いように思える。






跡部先輩が目の前にいることに

気づいておきながら言ってくるのがいい証拠だ。






これは純粋なる指導という名の新人イビリだ。






ただ、言わんこっちゃないが跡部先輩が既に

俺の話遮りやがってって顔をしてることに

気付いてらっしゃるのだろうか。






とは言えど。






傍観してるあたり、ドラマのように

助けてくれそうな見込みはゼロだ。






なんで真面目に仕事してるだけなのに魔王と魔女に挟まれて

ダブルパンチ食らわなきゃいけないんですかね私は。






「……すみません。すぐ行きます」






「はぁ。そうやってレギュラーに媚び売りたいだけなら辞めたら？」






「え……？」






「跡部に好かれてんだかなんだか知らないけど、

マネージャーやり始めたってことは満更でもないんでしょ？

そんな理由なら辞めなよって言ってんの」






「……あぁん？」

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