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出会ってからずっと不思議だった。







他の大人達は、私が1人うずくまっていても

声をかけてくれるどころか見向きもしなかったのに

なんで声をかけてくれたのか。






子供といえどよく知りもしない私の親を探してくれると言って

見つかるまで一緒に遊んでくれるとまで言った

彼の行動の意味が分からなかった。






私の問いかけにふっと笑った男の子は得意そうに口を開いた。






「モーツァルトが言ってたからだ」






「もーつわると、さん? ってだれ? 知り合い?」






「な! バカ言うな! 知り合いなわけねーだろ!

お前モーツァルトしらねーのか!」






「しらないよ、もーつわるとさんなんて

そんな変ななまえのひと。わたし日本人だもん」






「……とんでもねえおんなだな。

お前もそう思うだろ……なあ、かばじ」






「……うす」






男の子もかばじくんも

カップを持ったまま顔を引き攣らせた。






でも、今ですら名前くらいしか知らないモーツァルトについて

幼い私が知る訳もなくイギリス人は色んな知り合いがいるんだなと

知り合いなわけがないと言われたのも忘れて問いかけを続けた。






「?? で、その人がなんて言ってたの??」






「“他人の賞賛や非難など一切気にしない。

自分自身の感性に従うのみだ”」






「しょーさん? ひなん? ってなに?」






「……それはわからねえ」






「わからないんかい」






偉そうにつらつらと難しい言葉を並べたくせに

意味を聞けば分からないと言った男の子に思わず吹き出した。






馬鹿にしたように笑った私にムッとした男の子は

ふんと鼻を鳴らしながら仕切り直す。






「と、とにかく! だれになんと言われようと

おれさまがしたいようにしてるだけってことだ!」






「……ふうん。へんなの」






なんだ、その理由。






だれになんと言われようと、って。






モーツァルトさんが言ってた言葉を実行してるだけなら

元も子もないじゃないかとチグハグさにまた笑った。






その後、街中にまた連れ出されて

ついた広場で休憩と称して飲み物を買いに行った男の子を

ベンチに座って待っていれば。






「Hey!」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時

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