脳漿炸裂ボーイ４【跡部 景吾】

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「おい、A。俺様の許可無しに

勝手にどこほっつき歩いてんだ。さっさと戻ってこい」






「……」






からの、これである。






私は悪くないというのに。






このボールどうしろってんだ。






「……部室です」






「あーん？ 部室だ？ なんで部室なんかにいるんだ。

まさかてめぇサボってんじゃねぇだろうな」






誰よりも真面目に働いてんだよくそが！！






握りしめた携帯に罪は無いがギリギリと力が入る。






「……新しいボール、出してるんで。終わったら行きます」






「はぁ？ ボールだと？ なんでお前がそんなことやってんだよ。

いいから戻ってこい。今すぐだ」






……こんっのくそ部長……！！






お前の部内管理がなってないせいで

こちとらマネージャー業務押し付けられてんだよ殺すぞ！！






というか、別にマネージャー業務をやることに

正直なところ一切の不満はない。






寧ろ、このジャージを着ているかつ

選手でない時点で当たり前の話だとは思う。






私が不満なのはこうしてサボっていると思われることだ。






ついでに言えば先輩に頼まれた以上放置も出来ないというのに

無理難題をふっかけてくるこのくそ部長に至極腹が立つ。






かと言って、マネージャーの先輩に頼まれたんです、なんて言ったら

下手すればその先輩が彼に叱咤され、無駄に恨まれる道を

避けて通れないのは目に見えている。






つーか言わなくたってマネージャーなりたての私が

自ら進んでボールを出したりしないことくらい考えりゃわかるだろうよ。






馬鹿なんか、やっぱり馬鹿なんかこの男！！






「……10分下さい。そしたら戻ります」






「今すぐだって言ってるだろ」






「だから無理なんですってば」






「なら、5分だ。5分だけ待ってやる。それ以上は待たねぇ」






「……チッ！！」

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