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「……!? ちょ、っと!

なにしてるんですか! やめてくださいよ!」






「別に膝枕くらい減るものじゃないと、

つい十秒前にどこかで聞いたが……

俺の聞き間違えか? お前が嘘つきか?」






「……っ、いや、だから! 私の意志じゃないんですってば!

そう言うならジロー先輩叩き起してくださいよ。

いつもの如く部長権力振り回してくださいよ」






「無理だ」






「え?」






「ジローはそうなったら簡単には起きないからな。諦めろ」






「諦めろ、って。

いやまぁ百歩譲ってジロー先輩は仕方ないとしても

跡部先輩に膝枕する理由なんて何ひとつないんですけども」






「アーン? ジローはよくて、俺様はダメだってのか?」






「当たり前じゃないですか。

ジロー先輩だって私に膝枕されたくて

寝てるわけじゃないんですから。

言うなれば不慮の事故ですよこれは」






「とか言いながら満更でもない癖によ。

コイツの頭撫でてたくらいだしな」






「……まぁ、それに関しては否定も出来ないですけど」






言い返す言葉も無くなってしまった私が黙りこくれば

跡部先輩が勝ったと言わんばかりに片口角をあげながら目を瞑った。






何故私はこんな屋上の塔屋なんかで枕と化しているのだろうか。






女の子座りをしている私の右の足にはジロー先輩。

左の足には跡部先輩。






両の足が塞がれている上に、

膝枕くらい減るもんじゃないと言ってしまった以上、

無闇に立ち上がることも出来ない。






されるがまま、2人の寝顔を見つめていれば

ひゅうと少し大きな風が吹いて2人の髪を揺らした。






ふわっと膨らむように揺れるジロー先輩の前髪に、

サラッと流れるように揺れる跡部先輩の前髪。






……本当、喋らなければかっこいいんだけどなあ、この人。






そう思ったら、彼の忠告を忘れて跡部先輩の前髪に触れていて。






思ったより柔らかいな、だなんて思いながら

色んな感情をも忘れた私は

彼らと一緒になって夢の中へ運ばれていった。






本日の脳漿炸裂ワード
「まさか浮気でもしてるんじゃねえだろうな」

再び眠気が吹っ飛んだ→←・



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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 時雨さん» 右隣の男子が予想外に気にかけられすぎてて困惑しておりますww 高評価までありがとうございます…! お陰でノリノリに更新欲が湧いてきました! 頑張ります! (2020年12月16日 22時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 優さん» 右隣の男子は消えたりなどしないよ…ってことですねwwもちろん一番右側の☆押しておきました!! (2020年12月16日 19時) (レス) id: 9ccfd786f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 時雨さん» 嬉しいコメントありがとうございます! なによりの励みになります!! 右隣の男子は……神隠し、ばいね……(今後本編で明らかになる……かも? それまではご想像にお任せしますww) (2020年12月16日 5時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - すごく面白くて一気読みしちゃいました!!これからも更新頑張ってください、楽しみにしてます!!右隣の男子はどこへ…? (2020年12月15日 22時) (レス) id: 9ccfd786f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年12月3日 18時

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