脳漿炸裂ボーイ【跡部 景吾】

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「俺も、なんとなくだけど、今日は頑張れたよ。

Aがいてくれたお陰かも」






「……」







行く。






鳳くんに頼まれれば、たとえ夜中でもなんでも行く。






少し照れ臭そうに笑いながら席に戻って行った鳳くんの言葉で

一瞬にして意見を覆した私はその後の授業なんて

ひとつも頭に入ってこなかった。






なんという役得。






お零れと表現したこれが、まさか予想外の鳳デレを頂けるという

最早お零れのレベルを超えてくる始末。






私、跡部先輩に好かれてて良かった。






初めて跡部先輩に感謝しながら迎えた昼休み、廊下を歩いていれば

向こう側から、本日の毎度の戦犯が悠々と歩いてくるのが見えた。






確かに感謝はしたものの、

今彼と鉢合っても御礼なんて死んでも言えんと

踵を返して早足に来た道を戻る。






上手く逃げ切れた。

と思ったのも一瞬、ツカツカと私の歩幅に同調するような足音が

後ろから迫り来ているのは私の思い過ごしなんかでは無い。





このままでは捕まってしまうと、負けじと歩く速度を早める。






すると、言わずもがな後ろの足音も早まる。






もうこうなったら走るしかないと、

ダッ、と効果音が聞こえるほど勢いよく走り出す。






そうなればもうただの追いかけっこ。






今日も今日とて鬼ごっこの開幕である。






捕まったら何を言われるか分かったもんじゃない。






今日の流れ的に、

１、テニス部のマネージャーになれよ

２、明日も8時半に迎えに行くからな

のどちらかであるのは確実だ。

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