脳漿炸裂ボーイ【跡部 景吾】

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「……なるほど、って、うん？

自分の女ってのはなるほどとはなりませんけど。

え、待って待って。それは置いとくとしても

じゃああの怪しいスーツの人達ってまさか、」






思わず歩みを止めて、立ち尽くす私に振り返った

跡部先輩はイタズラにはにかんだ。






傍から見ればなんとまぁ楽しそうな好青年なる笑顔ではあるが、

どこか黒く見えるのは私だけだろうか。






「明日は朝練があるから一緒に登校はしてやれないが

8時半に迎えを寄越す。寝坊するなよ」






「……え、いやいや！ だから迎えなんて要りませんよ！！

跡部先輩いないなら尚更！！」






「あん？ それは俺様と一緒じゃなきゃ嫌だってことか？

随分と可愛いこと言うじゃねーの」






「いや、あの、そうじゃなくて、」






「なら、6時半だ。

ただ、あまり朝早くに呼び鈴を鳴らすのも気が引けるからな。

家の前で待ってろ。じゃなきゃおいてくぜ」






「えぇ、ちょ、いや、6時半って、無理ですよそんなの！

起きられませんて！ しかも私テニス部でも無いのに！」






「だから俺はずっとマネージャーやれって言ってんだろうよ。

起きられなきゃ8時半に迎えを寄越すだけだ」






「ええええ？ 二択なの？

私には6時半か8時半の二択しかないの？？

一緒に行かないって選択肢はないんですか？？」






「ない。ある訳ないだろう。

あんな無法地帯なバスなんかに一人で乗せておけねぇからな」






「え、ううん。危ないもなにも私1年間乗ってきてるんであれ。

今に始まったことじゃないんで本当にお構いなく」






「あぁ、そうか。お前車嫌いなんだったな。

なら、お前が乗るバスを貸切にでもしてやれば満足か？

それなら迎えの車に乗る必要はなくなるだろ」






「いや、それだけは絶対に辞めてください。

あのバスに乗る人々から無駄に反感買いたくないんで私。

というか、そんなことしたら迎えと

なにも変わらないんで辞めてください本当に」






「じゃあ黙って6時半に待ってろよ。まぁ無理はしなくていい。

起きられなかったら8時半の車に乗ってこい」






「え、ちょ、まじで乗らないですからね！

やめてくださいね本当に！！」






私の悲痛の叫びを相も変わらず都合のいい耳でスルーすると、

跡部先輩は颯爽と校内に消えていった。






本日の脳漿炸裂ワード
「自分の女の体触られて気づかねえ男がどこにいるんだよ」

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