再再続・怪しい女と1ヶ月過ごしてみた【跡部景吾】 (ページ43)

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　唐突な俺の質問に前を歩く跡部がピク、と反応したのが見えた。

が、特にツッコんでくる様子はないあたり、
自分も知りたいと言ったところか。

俺の思惑なんて少しも気づいていないであろう彼女は
首を傾げて不思議そうに俺の言葉を復唱した。

「彼氏、ですか？」

「おん。やって、俺らより幾分か歳上なんやろ？
なら、彼氏の1人や2人おったんかなって」

「まぁ、そうですね。
でも、彼氏なんていたことありませんよ。
仕事柄、そんなもの作ってる暇もありませんでしたしね」

「ほんなら、告白はされたことあるん？」

「えぇ。それはそれなりに。
雇用主から俺の女になれみたいなことは
腐るほど言われてきましたよ。
まぁ大体がろくな男じゃないですし
仕事云々でなくとも付き合ったりなんかしませんけどね」

「……へぇ。そん中でもこの人なら
付き合いたいな思た人はおらんかったん？」

「そうですねぇ……まぁ、仮に付き合ったところで
意味ないしなってのが先にきちゃって
そういう感情は湧かなかったですね……
って、なんでそんなこと聞きたいんですか忍足様は」

「ん？ほんの好奇心よ。
いや、親心みたいなもんか……」

「親心……？？え？忍足様って隠し子でもいるんです？」

「いやいや、おらんて。やめてや変なこと言い出すの。
俺は高校生やっちゅーねん」

「いやだって、親心だなんて言うから……
忍足様なら有り得るかなと……」

「えぇ？なにそれ？自分俺ん事どういう風に見てんのよ？」

「正直、第一印象は随分アダルティーな高校生だなぁ、でした」