再再続・怪しい女と1ヶ月過ごしてみた【跡部景吾】 (ページ41)

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■Day28 Plot ページ41

✩.*˚氷帝の天才視点

「あれ、景吾様。部活へ行かれるんじゃないですか？？」

「あぁ。今日は都大会のトーナメント抽選があるからな。
終わったら部活に向かう予定だ」

「なるほど。だからか。
で、いつまでそうして券売機の前で突っ立ってるおつもりです？」

「……」

　電車慣れしていない跡部がどうするのか。

面白半分で彼の挙動を見守っていた俺に反して
真顔でド直球な質問を投げかけた彼女に跡部が口を噤んだ。

かれこれ5分以上、券売機の前で
じっと動かない跡部にどうやら痺れを切らした様子。

　かくいう自分はと言えば、
跡部について抽選会にお呼ばれした人間。

そんな俺が彼女と彼の関係性を
漸く知ったのはつい一昨日のことだ。

ボディーガードをつける程の何か物騒な事情がある事に加えて
そのボディーガードがまさか歳上といえど
女性だとは夢にも思わなかった。

色んな驚きが交差して、深くまでは聞けずじまいでいる俺は
まさかそんな複雑な事情があるとは露知らず
Aちゃん、だなんて軽く呼んでいた自分に一抹の恥を覚えた。

そのスーツ姿があまりに見慣れないなと思うあまり
彼女のことを無意識にも見つめてしまっていたようで。

チラッとこちらを見た彼女に、
穴が空きます忍足様、とまたもや真顔で返された。

なんやこの人、表情筋硬ない？？

あの綺麗な笑顔はどこいってもうたんやと
適当に謝罪の言葉を並べて跡部に視線を戻す。

と、ガッツリ合ってしまった目と目に肩を揺らした。