再再続・怪しい女と1ヶ月過ごしてみた【跡部景吾】 (ページ23)

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「……っ跡部！！」

　そんなことを思って、頭を留守にしていれば
生徒会室の扉が勢いよく開くと同時にすごい声量で名を呼ばれた。

扉の前に立っていたのは。

「なんだ宍戸、ノックも無しに」

「ちょっと、来い！！」

「は？来いって、どこにだ。部活で何かあったのか？」

「違ぇよ、いいから急げ！！
お前の追っかけがやべぇんだよ！！早くとめてくれ！！」

「……は？」

　何がなんだか分からぬまま、必死の形相をした宍戸に
強引に腕を引かれ着いた先は校舎前で。

人集りができるそこは、確かにただ事ではなさそうだと近寄る。

「なんだ、なんの騒ぎだ」

「バカ、違ぇよ、上だ！！」

「上……？」

　上を見ろ、と宍戸に言われ、視線を上げて目を見開いた。

彼が見ろと言ったもの。

とめてくれと言ったもの。

一瞬で全てを理解して、息が詰まった。

彼らが揃いも揃って見ていたのは、屋上に立つ1人の女。

あれは、チア部の部長だ。

ただ、立っている訳では無い。

屋上の外塀の上に立っている彼女は、
強い風でも吹けば今に落ちてきてもおかしくない。

一体、何を。

「お、い、お前……何して……！！」

「……あぁ、跡部様、来てくれたんですね」

「来てくれた、って…、…
お前、何考えてんだ！今すぐそこから離れろ！
危ねぇだろうが！」

「心配、してくれるんですか？
私のこと、気にもしてない、癖に。
そんな、形だけの心配なら、私は、要りません」

「意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ！いいから戻れ！」

「嫌です、いくら、跡部様の言うことでも、聞けません」

「あぁ！？ふざけんじゃねぇよ！！お前一体何がしてぇん、」

「景吾様」