再再続・怪しい女と1ヶ月過ごしてみた【跡部景吾】 (ページ22)

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■Day26 Pay off the foreshadowing ページ22

✩.*˚

　放課後の生徒会室。

唯一学園で1人になれるこの空間が意外と息抜きになったりする。

「わぁ、すごい量ですねえ」

「……最近は、こんな感じだがな」

　そう、最近はずっとこんな感じだ。

「え？何が？書類の量が？」と、
机に山積みの書類を俺の後ろから覗き込みながら
的はずれなことを言っている彼女が
一緒にいることが当たり前になっていた。

つまりは、1人の空間では無いということ。

唯一の息抜きの場まで奪われてしまった。

……というのは口だけで、今まで以上に満たされるものがあるのは
きっと気の所為なんかじゃない。

苛立つどころか、何故か癒される。

　いつまで、この当たり前が続くんだろうか。

ずっと、こうしていられればいいのに。

彼女が呟いた言葉が頭を過ぎる。

願望を表すその言葉の意味は、
現実はそうでは無いということ。

ずっと、こうしてはいられないということ。

でも、いつまでお前はいるんだとは聞けない。

口にしたら、また、問い詰めて
引き止めてしまうのが自分自身わかっているからだ。

二度と仕事の話はするな。

そう言った彼女の表情がどうにも忘れられない。

別に叱咤される事に対して恐怖心を抱いた訳では無い。

俺自身、あんな顔を、見たくない。

彼女にも、あんな顔を、させたくない。