再再続・怪しい女と1ヶ月過ごしてみた【跡部景吾】 (ページ19)

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「は？何が？今初めて言うたんやけど俺」

「いや、なんでもねぇ。こっちの話だ。
で？なら、俺とあいつが付き合えばお前はそれで満足なのか？」

「……ちゃうよ。別にお前らが付き合おうが
付き合うまいがそれは好きにすりゃええと思うけど。
両想い分かっとってもそうしない理由が、なんかあるんやろって」

「ねぇよ、何も。
それに俺はあいつの事が好きだなんて一言も言ってないだろうが」

「……じゃあなに？あの子は、お前のなんなん？
ほんまは景吾様、って呼ばれとるみたいやしね。
さぞ親しい仲なんやろな」

「お前、なんで、それ知って、」

「彼女が言うてたんや。
練習試合の日、閲覧席で話しとった時。
“景吾様がお呼びですよ”って。まるで、別人みたいやった。
Aちゃんやのに、Aちゃんやなかったような気がした」

「……」

「それに、よう考えたらお前の様子がおかしなったのも、
彼女が転校してきたタイミングとまったく同じやったしな。
偶然で片付けられる話やないやろこんなの」

「……」

「……もう1回聞くで、跡部。

あの子は、お前のなんなん。
何を、隠してるん自分」

　本当に、この男の鋭さには舌を巻く。

言葉のラリーだけで
ここまで追い詰められることは、まず無い。

「……お前に、何がわかる」