再再続・怪しい女と1ヶ月過ごしてみた【跡部景吾】 (ページ1)

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■Day23 Liar ページ1

✩.*˚夢主視点

　月曜の部活終わり、
部室の鍵を締める宍戸君を見て、気づく違和感。

景吾様が、いない。

「宍戸様！」

　部室を後にしようとする宍戸君に駆け寄り声を掛ける。

「……ん？あぁ、お前か。どうした？」

「あの、跡部様は？部室にいらっしゃらないのですか？」

「え、跡部？跡部なら便所行くっつって出てったけど……
って、あれ？言われてみれば帰ってきてねぇなあいつ」

　普通に鍵閉めちまった、と
苦笑しながら閉めた鍵を開ける宍戸君。

確かに彼がトイレに行くと外に出たのは知っている。

しかしイヤホンのハマる反対の耳に指を突っ込んで
耳を澄ましてみるもなんの音もしない。

「トイレ、って。それ、10分も前ですよね？」

「あー、まぁそうだな。
でも、あいつ気分で校舎の中の便所使うこともあるから
そんな珍しいことでもねぇよ」

「……」

　いや、そんな訳ない。

私は部室の目の前のトイレに入っていくところを見たのだから。

「お願いがあります、宍戸様」

「え？」

「ちょっとついてきてください」