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✩.*˚
「……ッ!?」
暗がりでも分かるくらい顔を赤らめながら
唇を噛み締めた彼女に思わず言葉を失った。
かと思えば蕩けた目で俺を見つめてきた彼女は
まるでキスを待つかのように静かに目を閉じた。
おい、嘘だろ。
一体この状況を俺にどうしろってんだ。
自分で仕掛けておいてなんだが、
このパターンの対応を全く考えていなかった。
いつもだったら容易にかわすことくらい出来るはずなのに
予想外のハジメテ宣言にもう思考は停止寸前だ。
人のこと童貞だなんだと散々罵ってたくせして
自分は処女ってどんなオチだよ。
どの面下げて言ってたんだこの女。
怒りと驚きと困惑と。
ついでに言えばこんなガキみたいな女に
何故か少しクラっときてしまった。
色んな感情が混ざって頭が回らねぇ。
もう、この際お望み通り抱いてしまおうか。
そんな良からぬ考えが頭によぎった次の瞬間。
「はーい、時間切れデース」
「は?」
パチッと目を開けた彼女は無表情に戻って。
捕まえていた腕にぐっと力を入れた彼女に押し返された。
反転した視界は高いベッドの天蓋と
俺の両腕を掴み見下ろす彼女を映し出す。
何が、起きた?
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時