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✩.*˚



 はずだった。





「……おい、お前」

「……え? なんです? 呼びました?」

「呼びましたじゃねぇ。何してる」

「ん? 何してる、って別に何もしてませんよ」





 見てわかるでしょくらいで飽きもせず鼻で笑った女は
ソファに寝転んでポテトチップスを貪りながら
漫画を読み漁っていた。


悪びれもなく何もしてないと言い放った彼女が言うことは
あながち間違っていない。


ただ、この女は分かっているのだろうか。

仮にも主人を前にしてそんな偉そうに構える従者は
この世界どこを探してもいない事に。



 つーか、どこから持ってきたんだ。

そのポテトチップス。その漫画。

うちにそんなもんねぇだろうよ。


まさか持参か?

だとしたら初っ端からサボる気満々じゃねぇの。

ふざけんじゃねぇよ。





「……なんです? なんでそんな見るんですか?
あぁ、ポテチ食べます?」

「馬鹿か。要らねぇよそんなもの」

「えぇー! 美味しいのに。
あっ、もしかしてうす塩嫌い派ですか?
コンソメとかガーリックとか
味ついてる方いっちゃうタイプですか?
だとしたらもう気合わなさ過ぎて貴方とはやっていけないですね」

「いや、別に俺は何も言ってねぇだろ」

「え! ならうすしお派ですか? やだもう、先言ってよ〜
流石景吾君。分かってんね。やっぱイケメンは違うわ」

「おい、いい加減にしろよ。何が景吾君だ。タメ口で飽き足らず
何を思って御主人様をそんなフランクな呼び方にしてんだてめーは」

「だって、景吾君が言ったんじゃないですか。
坊っちゃまって呼ぶなって。
あ、それとも呼び捨てがいいとかそういうこと? 景吾でいい?
個人的には余計なもの付けなくてとても楽なんですけども」

「……」

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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年11月22日 11時

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