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✩.*˚
「あの、何か勘違いされてません?
別に私貴方の事好きだなんて言った覚えないんですけど。
自惚れるのもいい加減にしてくださいよ本当」
「この期に及んで何を言い出すんだお前は。
さっき俺様に惚れてるって言ったのは自分じゃねーの」
「えぇ。でも私はもしかしたらって言ったんですよ。
本当に好きだったらこんな曖昧な言い方しませんて。
愛してるぜベイベくらい言いますよ私は」
「意味わかんねぇよ。こんな時くらい素直になりゃいいだろ」
「別に強がってるわけじゃないです。本音です。
まぁ正直言えば、人を好きになった事がないので
恋愛感情というものが分からないんです。
だからもしかしたらって言ったんです」
「もしかしたらなんて言ってる時点で好きだろうよもう。
めんどくせぇ女だなてめぇは本当に。なんでそう認めねぇんだ」
「そこまで言うなら、教えてくれませんか。
どういう感情が、好きと言えるのか」
「……んなもん人に教わるもんじゃねぇだろ」
「教えられない、の間違いなんじゃないですか。
実は景吾様も知らないだけだったりして」
「お前と一緒にするな。
俺様に知らないことなんてある訳がないだろう」
「へぇー。昨日マネージャーさんが休みだったせいで
宍戸様に洗濯機の回し方教えて貰ってたのは
どこの誰でしたっけね」
「……見てたのかお前」
「そりゃもちろん。
言ったじゃないですか。いつでもお傍にいますよって」
「……ちげぇよ。あれは、その。ちょっと忘れてただけだ。
別に知らなかった訳じゃねぇ」
「“意味わかんねぇよ。こんな時くらい素直になりゃいいだろ”」
「うぜえ」
暴言を吐いた口とは裏腹に笑ってしまった俺に、
無表情の彼女の表情が初めて優しくなった気がした。
ふと思いたったマルガレーテの散歩で、
晴天の下いつもより無駄に長いコースを辿った
7日目の土曜日はこうして幕を閉じた。
Day7 Limited information【寡聞】
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時