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✩.*˚
「……はい?」
「今日の朝、誰からかも分からねえ手作りのスイーツが入っていた。
いつもなら捨てるか、部員に食わせちまうが
今日はそのままにしてある。それを片付けてこい」
「お言葉ですが、掃除は私の仕事ではありません。
それは使用人に頼んで頂けますでしょうか」
「ばーか、誰が掃除しろっつったよ。
なにが仕込まれてるか分からないから
その始末をつけてこいって言ってんだ。
危険なものかもしれないだろ」
「……なるほど。そういうことでしたら、仕方ないですね。
かしこまりました。放課後までに片付けておきます」
授業中、失礼致しました。
頭を下げて去っていった彼女は最後まで無表情だった。
無理矢理なこじつけのような理由だったのに。
もう少し反論してくるかと思ったのに、拍子抜けしてしまった。
でもこれで彼女がいつどこで呼んでも来ることがわかった。
そして来る時は、雌猫でなくBGとして来ることもわかった。
漸くハッキリとした主従関係はいつか利用してやるしかあるまい。
何事も無かったかのように進んだ授業を終えて
授業間休憩には彼女の教室に向かう。
雌猫の彼女に会いに。
お前が来ねぇなら俺が行ってやる。
俺の腹案はただ1つ。
ロッカーを片付ける暇なんて、与えさせねぇよ。
突然現れた俺をいち早く見つけた忍足が話しかけてきた。
彼を無言で躱して窓際に座る彼女の前に立つ。
見下ろした彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
会えて嬉しいと視線と表情が話しかけてくる。
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時