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✩.*˚



フリをする。


俺の目の前に影が出来たと同時に
唇に感じた熱で、目を開けてやる。


そして、顔が引き攣った。





「……おい、てめぇ」

「ん? なんです?」

「俺はキスしろって言ったはずだぜ」

「えぇ。だからしたじゃないですか、今」

「いや、してないじゃねーの。
ガッツリ指挟んでたの見てたぜ俺は」

「だって、別に唇でしろだなんて言われてないですからね」

「言わなくても分かるだろうよ。
寧ろ普通言わねぇだろ唇でキスしろだなんて。
つーか、もしかして朝のも指なんじゃねぇだろうな」

「当たり前じゃないですか。
誰がアンタなんかに唇でキスするってんだ」

「だから、それはキスじゃねぇだろうが。
ちゃんとするまで帰らないからな俺は」

「何言ってるんです。しましたよ私は」





 こうやってすれば、れっきとしたキスですよ。

自分の唇に当てた人差し指で俺の唇に触れる。


所謂、“関節キス”ってやつだ。



 ふざけんなよまじで。

屁理屈なんざ聞きたかねぇって言っただろ俺は。


なのに、彼女に触れられた唇は勝手に熱を持つ。

少し舐めてみれば、やっぱり何故か甘ったるい。


あまりの甘さに胸焼けしそうな俺を見て
満足したなら帰りますよと彼女は俺の荷物を奪った。



 ポテトチップス、買ってやらなきゃダメなのかこれと
柄にもなくケチな気持ちを覚えた5日目はこうして幕を閉じた。





Day5 Quibble【屁理屈】

■Day6 Winning opportunity→←↓



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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年11月22日 11時

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