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✩.*˚
ぺろっと自分の唇を舐めた彼女は俺を見下ろしながら笑った。
ご馳走様でした、と言葉を残して
予鈴のチャイムと同時に教室を出て行く姿をぼうっと見つめた。
立ち尽くす雌猫達なんてもう見えない。
今見えるのは、いやに脳裏に焼き付いた彼女の妖艶な笑みだけ。
んだよ。
案外、雌猫モードのお前もやるじゃねーの。
こっちのお前になら、簡単に勝てると思ったってのによ。
彼女と同じように唇を舐めあげれば
やけに甘ったるく感じた。
俺の上機嫌さに拍車をかけた彼女は、
次の5分間休憩には来なかった。
それどころか、放課後の部活でも彼女の姿は無かった。
徐々に落ちかけていたテンションが底をついた。
そんな彼女の存在を描き消すように
朝、キスなんざしちまったせいで
いつも以上に増えたギャラリー。
顔を引き攣らせた日吉に
何したんですかもう、と嫌味を吐かれて。
躊躇いもなくキスだと教えてやれば
彼は更にその眉間のシワを深めた。
「え、キスって、どういうことです?
まさか公開接吻でもしたんですか?」
「そうだ」
「……は? いやいや。何を普通の顔して言ってるんですアンタ。
そもそも跡部部長って彼女いましたっけ」
「いや? いねぇよ」
「……はぁ」
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時