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■Day5 Quibble ページ31

✩.*˚



 体が軽い。

やけに調子がいい。


相手コートに立つ忍足が呆れたように笑う。

どうやら彼にもこの機嫌の上々さが伝わったらしい。


なのに、一昨日のようにちょっかいをかけてこない忍足は
やっぱり無駄に大人ぶっている。

毅然としていると言えば聞こえはいいが、
腹立たしいと言えばそれまでだ。



 コートの外に視線を逸らして、フェンス越しに立つ
俺専属の雌猫に見せつけるように笑ってやる。

雌猫モードの彼女は余裕の顔で微笑み返してきた。


流石に黙っていられまいと思ったか定かではないが
俺に歩みを寄せてきた忍足がコソッと耳打った。





「ほんまに可愛ええなぁ、なぁ跡部」

「……お前と一緒にすんじゃねえ」





 求めていたであろう答えを返してやれば
擽ったい鼻笑いをした忍足はコートを後にした。


決して嘘をついた訳では無い。

ましてやアイツに惚れた訳でも無い。


本物の雌猫になっちゃいそう。

そう言った彼女の言葉を信じて振り回してやりたいだけ。

やられた分、やり返してやりたいだけ。


それ以外の理由なんて無い。


苛立ちは吐き出しても更に募るだけだが、
この感情は吐き出していくべきだと思った。


ただ、それだけだ。

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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年11月22日 11時

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