検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:30,560 hit

ページ21

✩.*˚



何事かと思いつつ反射で抱きとめてしまえば、
ぶつかってきたのはうちの女子生徒。

ゆっくりと顔を上げたそいつは昨日俺の苛立ちに拍車を掛けた
3Hの噂の転校生で。


俺の顔を見るや否や、
ハッとしながら大きく目を見開き顔を赤く染めた。





「ご、ご、ごめんなさい……っ!!
ま、まままさか跡部様だとは思わず!!」

「……まぁ、それはいいが……どうした。
何をそんなに急ぐことがある」

「あっ、いえ、その! 急いでるというか、ボールが、」

「……ボール?」





 彼女が気まずそうに指を指した先では、
グラウンドから走ってくる野球部に向かって
忍足がボールを投げている姿が見えた。


あぁ、ノーコンの奴が投げたボールがこっちまで飛んできてたのか。

顔を背けていたせいで全然気づかなかった。


なるほど。

それで体当たりかましてきたのかこの女。



 助かった、と礼の一言を放つと同時にふと思った。


ボールが飛んでくるのが見えてから
よく俺に体当たりかます時間あったな。

ノーコンの下手くそ野球部と言えど、球速はそこそこあったろうに。



 一体いつどこから見ていたのかと問おうとしたその時、
戻ってきた忍足が彼女を見ておっ、と声を漏らした。





「なんや自分、随分と積極的やね。
もっと大人しいタイプかと思っとったわ」

「へ……? あっ!? ごごごめんなさい!! 失礼致しました!!」





 未だ俺に引っ付いたままだったことに
気づいていなかったらしい彼女は
更に顔に熱を集めて軽く突き飛ばすように大きく後ずさった。


少し抱きとめただけで初心な反応を見せる彼女に無自覚にも
笑みを零した俺を見て忍足がニヤッと笑う。





「可愛ええやっちゃ。なぁ、跡部」

「……そうだな」

「え」

↓→←↓



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年11月22日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。