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✩.*˚
「隣? ……ッは!?」
彼が手のひらで指し示した方向に振り向いた瞬間
思わず肩が跳ね上がった。
いつの間に来たのか。
俺の隣に腰をかけている女は、
勝手に俺のティーセットから取ったであろうスコーンを齧っていて。
モグモグとリスのように頬張っている童顔な彼女は
どう見ても俺より歳下か、盛っても俺と同い歳くらいだ。
若干体を引いた俺に気づいた彼女は
チラッと俺の顔を見てごくんと口の中の物を飲み込むと
何事も無かったかのように無表情のままその口を開いた。
「はじめまして景吾坊っちゃま。
本日より坊っちゃまの警備につかせて頂くAと申します」
淡々と自己紹介を重ねた彼女を見たミカエルは
用があれば呼んでくれとスっと頭を下げて部屋を後にした。
彼的には聞きたいこと山の如しの俺の表情を読んで
部屋を出ていってくれたのだろうがこの状況で2人きりにされても
言葉なんてひとつも出てきやしない。
外面とは裏腹にテンパる頭で
何からツッコめばいいのかとかける言葉を考えていれば
俺の視線が痛くなったのかスコーンを食べた指を
舐めていた彼女は俺に視線を戻してきた。
「どうも」
「……いや、どうもじゃねぇよ。
テメェ何許可もなく俺の隣座ってんだ」
「え? だって、お傍にいなければならないもので致し方なく」
「致し方なくって、別に隣に座る意味もねぇだろうが。
雇われの身の癖してなんで偉そうに座ってんだって聞いてんだよ」
「またまたそんなこと言って〜
あ? もしかして照れてます??
女の子慣れしてそうな感じしたけど、まさか童貞??」
「おい、調子乗るなよお前。
何サラッとタメ口利いてやがる」
「いや、緊張されている様子でしたので
緊張を解して差し上げようと」
「頼んでないだろうよ、そんなこと。
それに俺は別に緊張なんかしてねぇっての」
「強がっちゃってまぁ」
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時