■Day3 Reluctance ページ19
✩.*˚
なにをそないイラついてん自分。
次の日の放課後、部活中にそう声を掛けてきたのは忍足。
まともに答えもせず鼻で笑って終わらせた俺に
顔を顰めた忍足は引き下がるどころか
苛立ちを隠さぬ声で言葉を付け足した。
「なぁ、聞いとる? なに? どないしたんよほんまに」
「黙れ。別に苛立ってなんかねぇよ」
「えぇ? いやいや、その言い方が怒っとるやんもう。
あんまり溜め込むと体によくないで」
「ほら、言うてみぃよ。今なら天才忍足大先生が聞いたるで」
周囲から言われる天才という言葉に甘んじて
勝手に先生に成り上がった忍足に
これが返事だとばかりに片口角だけ上げた作り笑いを見せてやった。
溜め込むとよくない。
そんなことは俺とて分かっている。
ただ、吐き出したところで解消されるどころか
更に苛立ちを重ねるのが目に見えているからこそ言わないのに。
あくまでも俺の口から訳を聞きたがる隣の似非関西人は
どうやらここ数日の俺の異変に気づいているようだ。
まぁ、何があったかまでは分からないからこそ
その理由を探ろうとしているのだろうが、
そんな見え透いた思惑に乗ってやるほどの優しさは
生憎持ち合わせていない。
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時