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✩.*˚



 背丈こそ似ていたせいで思わず普通に肩に手をかけてしまったが、
俺の思っていた、彼女では無かったからだ。


誰だよ、お前。





「跡部、様……!?」

「……お前が転校生か」

「えっ、あっ、はい! え、あ、なんでここに……!?」

「そうか。なら、なんでもない。忘れてくれ」





 その肩から手を離し教室を出て頭を抱えた。


もういい加減にしてくれ。

確かに思っていた彼女で無かったことに関して安堵はした。

ただ、こういう場合は大抵
期待を裏切らない展開になるんじゃないのか。


いや別にあいつであって欲しかったとかそういうことではないが、
期待を裏切られたと言ってしまっても仕方あるまい。


普通にあいつだと思うだろ昨日の今日の話なんだから。

何もかも意味わかんねぇよ。

あいつであれよそこは。


こうなった以上レギュラー達にする言い訳が思いつかねぇよ。

本当にただ転校生が気になってわざわざ見に行った
ミーハーみたいな扱いにされるじゃねーの。



 もう嫌だ。

財閥の御曹司なんて肩書き今すぐに捨てたい。

こんなこと思ったの初めてだぜまったく。

なんたってこの俺がここまで振り回されなきゃなんねぇんだ。


昨日から蓄積された苛立ちが今にも爆発しそうだ。

やり返しを目論んでいたのに、見事にしっぺ返しをくらった気分だ。



 神の悪戯とはよく言ったもんだなと
鼻で笑いながら部活に望んだ。

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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年11月22日 11時

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