■Day2 Misunderstanding ページ12
✩.*˚
「では、何か御用があればお呼びください。
あっ、ちゃんと名前で呼んでくださいね。じゃないと来ませんよ。
小声でもなんでもちゃんと駆けつけますんで」
「これにて御免」
そう言ってどこぞの時代劇のような言葉を残した彼女は
学園に着くや否やその姿を消した。
一瞬目を離した隙に目の前から消えた彼女は
一体どこへ行ったのだろうか。
上は空。下はコンクリート。
目の前に遮るものも無ければ
隠れられそうなところなんてひとつもないというのに。
やっぱり思ったより危ない奴なのかもしれない。
そりゃそうだ。
あの風貌で、BGなんて務めてるくらいだ。
しかも彼女の口ぶりからしても余程腕が立つのだろうが、
流石に忍者にまでなれるとは思いもよらなかった。
まぁそれは置いておくとしても名前で呼べと言われたはいいが、
あいつの名前なんだったっけか。
確かに自己紹介はされたが、
あの時はそれどころじゃなかったせいで
微塵も覚えてねぇなと頭を悩ませながら教室へ向かった。
それからは特段何事もなく、
いつも通りの学園生活を過ごし放課後を迎えた。
結局あいつの名前は思い出せぬまま。
まぁ別に呼ぶこともないだろうしどうでもいいか。
半ば諦めに走り部室に入ればなにやらレギュラー達が騒がしい。
いや、くだらねぇ話で盛り上がってるのは
いつものことなのだがそれに拍車をかけるように
やけに忍足がはしゃいでいる気がする。
無駄に大人ぶっている彼が
ここまで盛ってるのは珍しいなと思いつつ
彼らの横をすり抜ければ、「おっ、噂をすればやな」と
俺の姿を視界に捉えた忍足に謎の発言をされた。
別にスルーしても良かったものを、
何故かやたらと鼻について彼と視線を合わせてしまった。
「なんだ、俺に何か用か」
「や、俺のクラスに来た転校生の話しとってん今」
「……転校生だと?」
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2020年11月22日 11時