陽光の奏鳴曲 -第7番- (ページ33)

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８…side:Keigo.A ページ33

「……は？え、ほんまや！
ほんまに何！？ 2人してなんなん！？」

　俺に視線を向けた忍足は、
プチパニックになっている様子で。

突然の俺達の来訪に
何一つとして理解出来てないであろう忍足に
自分と近しいものを感じれば初めてあいつに同情した。

「俺仕事中やねんけど。
今日はちょっと相手でけへんのやけど……」

『え、別に忍足に会いに来たんじゃないよ。
やめてそうやってすぐ勘違いすんの』

「……いやいや。リハビリと呈した相談に
幾度となく来とる癖によう言えたなそないなこと」

『でも最近は来てないじゃん別に！
自惚れんのやめて！』

「なんで俺が怒られなあかんのや……
まぁええわ。じゃあ何しに来たん自分ら」

『ん？あぁ、トメちゃん達に跡部紹介しようと思って！』

　……トメちゃん？

病院を退院してしばらく経つのいうのに
初めて聞いた名前に、片眉がピクと反応する。

その名前を聞いて、納得したような顔をする
忍足もその相手が誰だかは分かっているようで。

また置いてきぼりを食らう俺は
嫉妬対象その2に忍足を追加した。

「あぁ。なるほど。
それで俺んとこ来たんか」

『そう。病室教えてもらおうと思って』

「トメさん達なら仲良く揃って
B棟の303や。オウジも一緒におるはずやで」

　……おうじ、オウジ……王子？

自分が王様と呼ばれ慣れてしまっていたが故に
おうじと聞けば王子様の王子しか思い浮かばない。

　初めて聞く名前が飛び交う彼らの会話に
全くついていけない俺は
どんどん目付きが悪くなっていたようで
忍足にサッと顔を逸らされた。

別に睨んでたわけじゃないんだが。

『分かった！ありがとう忍足！』

「おん。まぁ……程々にな。
跡部にしばかれんのだけは俺ごめんやからな」

『……うん？分かった……？』