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６…side:Keigo.A ページ44
そう言いながら俺に手を伸ばす彼女は
とても強い目をしていて。
正直Aが、何を言っていたかなんて
状況が理解出来ていない俺の頭には
何一つとして入ってこなかった。
ただ、言葉が届いていなくとも
その光を掴みたくて、微動だにしなかった
俺の体は勝手に手を伸ばそうと動いた。
「……調子に乗るなよガキが。
お前いくら龍玄の娘であろうと誰であろうと
小娘一人を消すことなど造作もないことを忘れるな」
その瞬間。
まるで、生きたマリオネットを見るように
暗く淀み冷たい瞳を向けた父に伸ばしかけた手が、
再び全身が硬直した。
近づいたように思えた光は、一瞬で見えなくなった。
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作者名：2ytluvuusham081 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時：2020年10月25日 2時
