３…side:You ページ5
『誕生日……？』
«……漸く思い出したん»
『え、嘘。明日？ まじで？』
«マジ。こないなことで嘘ついたら俺が怒られるて。跡部に»
嘘じゃん。
だって、今日跡部何も言って……
いや、あの跡部のことだ。
きっと分かってたけど、わざと言わなかったんだ。
私を困らせたくて。困った顔が見たくて。
あのサディスト野郎！！
今思い返せば、明日ってなんの日って
聞いた時ちょっと笑ってた気がするぞ！？
くっそ、やられた。
そりゃ水川さんも怒るわ。
だって、好きと公言しておきながら
誕生日も知らん女にとられてるんだから
怒らない方がどうかしている。
最低かよ私。
いやでも知るタイミングもなかった。
ましてや去年の誕生日なんて
このくそ部長としか思ってなかったんだから
知らなくて当たり前なのだけど。
いやいや、それでも昨日の今日で
祝わないわけにもいかない。
あんだけイチャイチャ沢山キスしといて
誕生日は祝いませんだなんてありえない話しすぎる。
どうしたものか、と電話の向こうにいる
忍足そっちのけで考えていれば忍足がふっ、と鼻で笑った。
『何笑ってんの！
こっちはパニックだっての！
てか、なんでもっと早く教えてくんないのよ！』
«教えるも何も普通に知っとると思うやろ。
去年も祝ってんねやから»
『〜っ！！
覚えてるわけないでしょそんなん！！』
«いや、今日宍戸のことニワトリやなんやって
バカにしてたんどこのどいつよ»
『ぐぅ、って、そんなことはどうでもいいんだよ！！
ねぇ、私どしたらいい？
なんも用意出来てないままもうパジャマなんだけど』
«知らんがな。こっちやってお前が
何か考えとると思て連絡してんねやから»
『この薄情もん！！』
«なんとでも言いよ。そんなことより、
自分明日どうしたいん？ 跡部と2人がええんか？»
『いや、無理。2人なんかにされたら死ぬって。
ただでさえなんも用意してないんだから浮くじゃん』
«なら、とりあえず皆で祝うでええんやな？»
『うん。
むしろ皆で祝った方が跡部も喜ぶでしょ』
«……なんも分かっとらんな自分»
『え？』
«いや。なんでもあらへん。こっちの話。
じゃあまぁその辺は俺に任しときよ。
とりあえずなんとか誕プレは準備しとき。ええな»
『わ、わかった』
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作者名：2ytluvuusham081 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時：2020年10月25日 2時
