月光の前奏曲 -第15番- (ページ31)

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⑤side:You ページ31

「それで、マネちゃんはなんていったの？」

「私に勝てたらね、ってサラッと澄まし顔よ」

「かっこE～！！」

『いやだからなんでがっくんが言うのよ。
しかもそんな偉そうな感じで言ってない！！
もし負けたらその時考えますって言ったの！』

「まじかよ。こんな女に惚れる気が知れねぇな」

『違うって言ってんでしょ。
あと、まじで三島君と私に謝れ宍戸』

「でもどうせ勝てなかったんだろ？付き合うのA？」

「いや、三島は腹痛でトイレにこもって
1個もテスト受けられなくて0点だった気がすっけど」

「0点仲間だ！！嬉C～！」

「告白のプレッシャーに勝てなかった奴がここにもいたか……」

『だから言ったでしょ、
それだけで優良物件にはならないって。
メンタルがここまで弱いとは……
神は二物を与えずとはよく言ったものね』

「跡部なら容易にやってのけそうだな。
やっぱあいつは最高級物件かよ、くそくそ！」

『……跡部なんか例えに出さなきゃ良かった。
劣等感がすごい』

「跡部には性格の悪さがあるじゃん」

『最高級の欠陥住宅か……
それもそれで安上がりでいいな』

「何の話だよ。つーか、Aもそれで
ボロボロだったんだから人のこと言えねぇだろ」

『私は最後建て直したじゃん。言っとくけど
私は国語だけで98だからね』

「すげー！オレなんか一問も解けなかったのに～」

「ジローは物理的にだけどな」

「てへ、寝坊しちったからね～」

『だから私は本来あんな正座させられるはずじゃなかったの。
アンタ達と一緒にしないで』

「次のテストも退部っていう
プレッシャーかかってること忘れてるだろ、A」

『……はっ！！』