第五十七章【キミ記念日〜生まれてきてくれてアリガトウ。〜】side:You ページ3
あの後、結局無表情に戻ってしまった
水川さんはなんで跡部が委員会に
出ないと思ったかの理由は教えてくれなかった。
明日が何の日かよく考えなさい。
とヒントのようなそうじゃないような言葉を
かけて予鈴の音と共にスタスタとどこかへ行ってしまったのだ。
生徒会室に戻って跡部にも明日って何かあるっけ？ と聞いたら
首を傾げられただけで話す間もなく休み時間は終わってしまって。
考えすぎて知恵熱が出そうなくらい
頭を悩ませているとまた下唇を無意識に
触ってしまっていることに気づいた。
もうなんかいちいち辞めるのも面倒くさくて
そのまま触っていれば、ふと目に入った
カレンダーが9月のままになっていたことに気づく。
椅子から立ち上がって、ペリペリと剥がせば
見えてくる10月の文字。
今日は3日。
明日は4日、ってなんかあったっけ。
祭日？ いや違うよな。学校あるし。
跡部が関係する……何か、ってことだよね？
その時、ピコンとLINEの音がして。
テーブルに戻り、目をやれば送り主は忍足からで。
忍足から個チャなんて珍しいな、と
詳細をタップすれば、そこに並ぶ
「明日、どないする？」の文字に更に困惑する私。
え、なに、なんなのみんな揃って。
明日ってなんなのよ一体！！ それを言えよ！！
�爐佑А¬斉�ってなにがあんの？��
そう返した瞬間、そっこー既読がついたと
思ったのに、なかなか返ってこない返信。
え、寝落ちた？ そんな気になるところで
寝落ちるのやめてくれよとドキ ドキしながら
返信を待っていれば、LINEではなく
ディスプレイに表示されたのは忍足侑士の名前。
電話までするほど大事な日なのかと
通話ボタンをスライドさせ、耳元に当てると
もしもしの前に聞こえてくる電話越しの彼のため息。
電話越しだと更に色っぽいなと思いながら
どしたの？ と平然と返せばもう1つため息をついた。
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作者名：2ytluvuusham081 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時：2020年10月25日 2時
