4…side:Keigo.A ページ4
頭突きされた額を擦りながら逆サイドのコートへ入る。
本当に馬鹿なんじゃねぇのあの女。
忍足といい、Aといい、
なんたってこうも馬鹿しかいねぇんだうちの部員には。
いくら五感無くなってるからって
あんな全力で頭突きかまされたら
痛てぇもんは痛てぇに決まってんだろうよ。
……は? 痛い?
そういえば俺、なんで普通に歩いてんだ。
目も見える。音も聞こえる。感覚もある。
頭突きされた事に苛立ちが抑えきれずキレ散らかしてたせいで
気づかなかったが、五感が戻っている。
それどころか、いやにネガティブに陥っていた
頭がやけにスッキリした気がする。
「おや、随分と早いお目覚めだね王様。
少し眠りが浅かったかな」
「……アーン? 浅いも何も、寝てねぇって言ってんだろうが」
「はは、そうか。まぁ、なら。
今度こそちゃんと夢を見させて差し上げないとね」
ふ、と妖しく笑った幸村はボールを空高く放り投げた。
まぁ、いいか。
ごちゃごちゃ考えるのは辞めだ。
とりあえず今は、目と鼻の先の事だけを考えろ。
アイツをぶっ潰すのが先。
考えるのは、それからだ。
さぁ、夢とやらを見せてもらおうじゃねーの。
全国制覇という、この上なくちっぽけで、でかい夢を。
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年1月28日 13時