13…side:Keigo.A ページ25
“アンタには関係ない”
防波堤に、ぶつかる波の音が
俺の頭の中のあいつの言葉にノイズをかける。
何度も、何度も頭の中で繰り返されるその言葉は
いくら聞いても慣れない。
本心で言ったのではないことなんて
あいつの顔を見ればすぐに分かった。
ただ、頭では分かっていても気持ちがついてこなかった。
そのせいか、
謝ろうとしていたあいつを突き放す言葉しか
俺の口からは出てこなくて、
なんでこんな時まで素直になれねぇんだと
曲がりきった自分の性根にほとほと嫌気がさす。
たった1年。されど1年。
アイツと一緒に過ごした日々は、6年一緒に過ごしてきた
部員達と変わらないくらい、否。それ以上濃く感じたものだった。
なのに、そんな俺の感情を全て否定された気がして
一瞬、頭が真っ白になった。
そんなの、きっとあいつも同じで。
俺達のことを大事に思ってくれているのは
変わらないはずなのに。
そんなこと、分かっていたというのに。
こんなにも許せねぇなんて、
俺の心はこんなにも狭かったのかと
自分のキャパシティの無さを実感した。
ただ、Aが岩が連なる海へと
真っ先に飛び込んでいった瞬間俺の思考は停止した。
一瞬で、色んなことが頭を過ぎった。
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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時:2021年1月28日 13時