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6…side:You ページ18

『……もう危ないことしちゃだめだよ』

「……! うん!」



 きっと、私に怒られると思ったのだろう。

否、既に跡部に怒られた後なのかもしれないが
優しく諭すように言えば
今にも泣き出しそうな男の子の顔は花が咲いたように明るくなり、
母親に繋がれた手とは逆の手を振りながら去っていった。



「……なんで止めた」

『ん? あの子が怖がってたから。もういいじゃん。
あの子だって、あの子の両親だってちゃんと分かってるよ。
これ以上は私たちが首を突っ込むことじゃない』



 小さくなっていく彼らの背中を見つめながら言えば
彼は一層顔を歪ませた。



『それよりよかった、何事もなくて。
ありがとう、跡……』



 びしょ濡れになったTシャツを絞りながら
跡部に御礼を言おうとすると、その手を彼に掴まれた。



「馬鹿かテメェは!」



 今まで聞いたことないくらい大きな声を出した
跡部に周りにいた人々も何事かとこちらを見ていて。



『ちょ、声大きいって。
そんな怒らなくたっていいじゃんか。
男の子助けたんだよ? もっと褒めてくれても……』

「いいわけねぇだろ!! 自分のしたこと分かってんのか!?
危うくテメェまで死ぬとこだったんだぞ!!」



 たしかに、いくら泳げると言えどあの岩場の周りの海には
そこら中に岩が突き出ていて、
もしあれにぶつかっていたらと思うとゾッとする。

ただ、一心不乱に海へ飛び込んだ私は
そんなことを気にとめている余裕もなくて。

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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2021年1月28日 13時

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