Caramel×Pudding Part２ -四葉環- (ページ16)

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No.56 ページ16

帰りついたのは夕方の7時。

服を脱いで部屋着に着替える。

部屋のベッドに仰向けで寝転んだ。

まぶたが重い。もうすぐ夕食。

少しだけ眠ろう.....

「A dream is a wish___」

懐かしい.....

ソウ兄だ.....ソウ兄が歌ってる。

So this is love.....

そこで目が覚めた。

懐かしい。

ソウ兄の夢を見たのも久しぶりだ。

私は小さい頃からピアノや、バイオリン、

勉強から色々なマナーまで家庭教師を呼んで

育てられた。そのせいか家が退屈で、

出たくてしょうがなくて、

その時お父さんの知り合いの人が

連れてきてくれたのがソウ兄。

ソウ兄は2つ年上で、

ホントのお兄ちゃんみたいな優しい人だった。

頭が良くて、楽器も上手くて、

なんでもできる器用な人だった。

小さい頃はいっぱいいっぱい遊んでくれた。

ソウ兄のギターに合わせて

玲奈と一緒に歌ったり、

3人でかくれんぼをしたりもした。

私の作ったおやつを

すごく美味しそうに食べてくれて、

私と玲奈は優しいソウ兄が大好きだった。

それに、ソウ兄は許嫁だった。

でも、いつの間にか許嫁の話もなくなって、

少しずつ疎遠になって、

ソウ兄が今何をしているかわからない。

企業を継いだのだろうか。

でも、音楽をしたいって言ってた。

そう言えばお見合いをするようになってすぐ、

お父さんに聞いたことがある。

『私、ソウ兄と結婚するんじゃなかったの。

なんでお見合いなんかするの？』

って。

その時お父さんは確か

びっくりした顔をして言葉を詰まらせたっけ。

本当にいま、どこにいるんだろう。