乗っ取り？絶対来るとこ間違えただろ。【刀剣乱舞】 (ページ9)

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乗っ取り８～加州Side～ページ9

「あっ、でもでも！長谷部と清光と亀甲は欲しいです♡」

見習いは気持ち悪いくらいニヤニヤと笑っている。

「清光はぁ、将来初期刀にしようと思ってるので～。長谷部と亀甲は、顔が好みだからです！」

ふざけんな。

俺がお前みたいなクズ女に寝返るとでも思ってんのかよ。

････だけど、作戦は実行しなきゃなんないから。

主を、裏切らなきゃいけないから。

「ほんと！？ねぇねぇ、いつまでここに居んの？」

「二ヵ月だよ♡」

「んじゃあ、二ヵ月･･･いーっぱい俺のこと愛してね♡」

キモイ。

なにその勝ち誇ったような顔。心底気持ち悪い。

･････だけど、一番気持ち悪いのは俺だ。

心にもないこと言って、主を傷付けて。

何で俺がこんなことしなきゃなんないの。

本当なら誰よりも主の傍に居たいし、見習いから守りたいのに。

何でこんな汚い人間に抱きつかなきゃなんないわけ。

「清光、本気で言ってんの？」

「本気だよ。そんな、女らしさのかけらもないような奴が主とか死ぬほど嫌だったんだよね」

やめてよ安定。そんな顔で見ないで。

心配しなくてもいいよ。これで主を守れるんだったら俺は平気。

「(本当に？)」

『＿＿＿＿＿＿＿＿加州』

「････なに、話しかけないでよ。俺はもう見習いを主だと思ってるから」

話しかけてくれてすっごく嬉しい。見習いなんかを主だと思うわけないでしょ。

『っ、加州』

「聞くたびに鬱陶しくなるその声を聞くのも嫌になったの。さっさと失せてよ。俺にその不細工な顔を見せないでくれる？」

優しく慰めるようにかけてくれるその声も、温かく包んでくれるようなその顔も大好きなんだ。

『･････ごめん』

「はぁ？謝ったら済むと思ってんの？馬鹿じゃない？」

『････』

違う。謝らせたくなんかない。

本当はそんな顔させたくないのに。

「いいから広間から出て行って。二度と俺の名前呼ばないで」

そんなつらそうな顔をさせるくらいなら、やらなければよかった。

「あんたなんか大嫌いだ」

『････分かった』

お願い、行かないで。嫌いにならないで。

『主失格だな････』

「っ、あ」

あるじ、と呼びそうになってグッとこらえる。

･････どこが「平気」だよ、俺の大嘘つき。