乗っ取り2 ページ3
「あるじさま」
こんのすけが帰ってからすぐに無機質な声が襖の向こうから聞こえた。
入ってもいいぞと振り向くと、ゆっくり入って来たのは白山吉光だった。
彼は、「新しい刀なんて要らないだろう!」なんてごねる鶴丸に内緒で鍛刀した子だ。
そのせいか、鶴丸は彼のことをあまり好いてはいないようだ。
私は白山に一目惚れしてお迎えしたんだけどなぁ?
『どうした?白山』
「今の話は本当ですか」
『ん?ああ、見習いのことか。そうだけど・・・』
「・・・・だめです」
『?な、何でだ・・・?』
「・・・・・・乗っ取りということは、あるじさまに危害を加える恐れがあります。もしそんなことがあったら、わたくしは_________」
白山は私に遠慮気味に抱きつきながら、少し殺気を込めた声で言葉を続けた。
「その見習いを、殺してしまうかもしれません」
『え゛っ』
「いいえ、確実に殺します」
『い、いや待て待て!』
「ですが、そんなことが起こってしまえばわたくしは政府の手によって刀解されてしまうでしょう」
『えっ・・・』
「ですから、あるじさま。それが嫌なのであればその見習いの件は断ってください」
じっと見つめられ、返答に困る。
いやもうオッケーしちゃったし・・・・っていうか相変わらず物騒だな。
『大丈夫だって。私が見習いなんかに負けるように見えるか?』
「見えません。しかし、万が一のことが・・・」
『だったら安心しろ。不安なら傍にいてもいいから』
「______・・・・・分かりました。あるじさまがそこまで仰るのであれば」
納得したようなしていないような、微妙な表情をする白山の頭を撫でる。
小狐丸に負けないくらい触り心地いいな、白山の髪は・・・・。
なんて、ほっこりしていた時だった。
「主!さっきこんのすけが暗い顔をしていたが、何かあったのk_________」
あ、と声を発する暇もなく
「きみ、何をやっている?」
鶴丸は刀を白山に向けた。
「あるじさまに修復していただいているだけです」
「何が修復だ。怪我一つしていないくせに」
「嫉妬は見苦しいですよ。・・・・と、流石に言いすぎました。煽りすぎたことを少し反省いたします」
「相変わらずいけ好かない刀だ・・・ああ、きみもそんな怖い顔で睨むな」
『いいから下ろせ』
「我らが主は視線で人を殺せそうだ・・・」
『失礼だな』
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いぶき(プロフ) - 続きが気になります! (2022年9月11日 15時) (レス) id: d775cce176 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新は、もうされないのでしょうか? (2020年7月9日 2時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - 更新、頑張ってください! (2019年12月8日 21時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - なんかこの作品好きだわ....w (2019年12月8日 21時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - 面白かったです!がんばってください、応援してます! (2019年9月24日 19時) (レス) id: 84c6b64b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2019年8月28日 17時