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「日本語…練習生の時から勉強してたね!動画で見たよ」
MG「チンチャ?あの頃はまだまだだったよねw…でも、勉強し始めたのは実はもっと前だよ?」
何事もないようにニコニコしながら話すミンギュくん。
もっと前…? それって夢の時期と…
MG「Aはいつから勉強したの?この前の撮影、NEIGEのスタッフさんは皆、韓国語がわかるからかなり助かったんだよね〜」
無邪気に話す彼に喉の奥から出てきそうな質問が再び引っ込んでしまった。
「あ、私は…あの旅行の後からかな…」
私がそう答えると彼は優しく目を細める。
MG「それって…またこうして会えた時のため?」
「……!」
まさかの直球。
やっと少し落ち着いたと思った心臓がまた早くなり出した。
顔が熱くなるのを感じる。
《あぁ、ダメだ。顔見れない…》
「そう…だね。また会って話したかったから…」
MG「ありがとう…すごく聞き取りやすいし、本当に上手だよ」
「よかった…話すのは仕事でだけだったから…おかしかったら言ってね?」
MG「うん、大丈夫!…ねぇ、書くのはどう?」
「え…!?」
MG「え!?…あ、韓国語ってパッチムとかあるから覚えるの大変って聞くから…」
「あ、そっか…うん。大変だけど、教えてくれる人が居たから…書く方が得意かも…?」
MG「そ、うなんだ…じゃあ、発音とかにどうしても困ったら書いて教えてね?」
「う、うん」
いきなり書くのは?って聞かれたからびっくりしたけど、ミンギュくんは特に何も思わず聞いてくれたみたい…
私の韓国語の筆記が上達したのは間違いなく夢の中のミンギュくんなんだけど、
覚えていないであろう現実の彼がそれをわかるわけはない。
確認するにも、あまりにも話に信憑性を持たせる自信がない。
《今、ここで現実のミンギュくんと2人で会えている事が奇跡に近いのに…本当に欲張りなヤツだな…》
心の中で苦笑する。
そんな私に気付く事なく目の前に居るミンギュくんは、大きな口を開けて食事をする。
見ているだけで美味しそうに感じるその食べっぷりに、今は夢の事は置いておいて現実を楽しもうと思った。
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作者名:chuka | 作成日時:2022年6月14日 17時