79.静かな部屋 ページ31
『…緊張した…』
自分の家に帰った頃には日付を超えていた。
騒がしかった所から静まり返った部屋に戻る。
緊張が解けたのも相まって、ホッとしたやら寂しいやら何とも言葉にしにくい感情だった。
今でも信じられない。
あんなにキラキラした人たちと同じアパートに帰る現実があるだなんて。
ソファーに向かう前にコンビニの袋が目に入った。
『あ、あれ飲もう』
帰り際にディノさんから野菜ジュースを、
ウジさんにはプロテインとシェイカーをもらった。
DN「深夜はこっちの方がいいです」
「えっ！でも、申し訳ないです…」
DN「じゃあ、僕はこの後やりたい事があるから眠くなると困るので缶コーヒーください」
「…わかりました。じゃあ、かえっこですねw」
DN「かえっこですww」
ディノさんは年下なのに本当にしっかりしてる。
私が困らないように気遣いまで。
ディノさんが帰ったら寝ようとしてたとさっきメンバーさんに呟いていたのを実は知ってる。
DN「あの…」
「はい？」
DN「僕は正真正銘の年下なのでヌナって呼んでも良いですか？」
「え？」
DN「僕も皆と同じように仲良くしてほしいです…」
「わ、私でよければっ」
DN「良かったぁ…」
うん。正直、笑顔可愛いと思いました。
彼もズルイ。
WZ「これ。持って行って」
「…これは？」
WZ「プロテイン。飯食えなくてもこれでタンパク質は摂れる。まだ開けてないから安心して」
「あ、ありがとうございます！おいくらですか？」
WZ「いい。ミンギュからもらう」
MG「えっ！？…別にいいけど…ジフニヒョン、良いプロテイン使ってるじゃん…」
「え、じゃあ、やっぱり払います！」
WZ「いい。…引っ越し祝いって事で」
「で、でも…」
JN「ジフナ、抜け駆けズルイ〜！」
WZ「あー…はい、帰った帰った」
JN「わっ、待ってよ！僕もカトk…」
WZ「はーい、また今度ー」
「わわっ」
MG「よし、行こ！」
ジュンさんを抑えて、ミンギュくんの所に私の背中を押したウジさん。
結局、送ってくれたミンギュくんにお金を渡そうとしたら、
MG「いい！大丈夫！あんな事言ってたけど、実際は請求されたりしないからw」
って言ってた。
エレベーターに乗る前には皆さんが口々に「おやすみ」と言ってくれた。
どうして、彼らはこんなにも優しい集団なんだろう…
浸りながら美味しい野菜ジュースを飲んで、シャワーを浴びて眠りについた。
あの時、エスクプスさんに感じた疑問は忘れて…
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作者名：chuka | 作成日時：2022年6月14日 17時
