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※Mingyu side.
やっと触れられた。長かった…
あの日と繋いだ手の感触は同じ。
あの時も本当はこう繋ぎたかった。
でも、ここでの彼女はずっと俺のそばに居てくれたAだ。
遠慮なんてしない。
落ちたペンを拾おうとして手を離そうとするから、少し力を入れて引っ張れば軽くて身体ごと倒れ込んできた。
照れてはにかむ顔なんて、可愛過ぎて仕方がない。
俺は臆病すぎるのかな?
この手が離れたら、目が醒めてしまうんじゃないかと思ったんだ。
俺の気持ちを汲んでくれたのか「離さないよ」と言ってくれた。
同じ気持ちで居てくれてるのかと思って、すごく嬉しかった。
なのに、俺が可愛いってどういう事?
可愛いのはAだから!
俺はいつだってAの前ではカッコよくありたいんだけど!?
と言うか、今まではずっとカッコいい俺を演じ過ぎてたのかもしれない。
前までは目が醒めると次がいつ来るかのわからない不安があったけれど、現実の世界でもAと接点が出来た事で目が醒めても寂しさが軽減出来るから気負わなくなって来た気もする。
…現実の俺の様子なんて映像に残り過ぎてるもんな。
上手に編集してくれてるペンの子もいるけど、俺のドジ集め過ぎじゃない?
夢と現実のギャップあり過ぎて引かれてたらどうしよう。
あ、覚えてないんだった…悲し…
繋いだ手をもう一度見る。
これ、手や顔・身体には触れるようになったのはわかったんだけど…
キスやポッポは…?
………
アンデ、ミンギュ!
油断は禁物!
やっとまた一歩前進したのに。
でも…
正面の顔も良いけど、横顔もすごく綺麗なんだもん。
この世界に入ってから綺麗な人・可愛い人・セクシーな人を沢山見てきたけど、
Aほど、激しく心を動かされる人はいなかった。
今、隣に居るだけで心臓が煩いんだよ?
「ミンギュくん?」
口パクで首を傾げるA。
そんな仕草もまた良い。
見つめられると頭が好きって気持ちいっぱいになる。
無意識にまた、手を伸ばしてしまうんだ。
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作者名:chuka | 作成日時:2022年6月14日 17時