66.変化、ひとつ ページ18
※Mingyu side.
カムバを終えて、少し時間に余裕が出来てきた。
久しぶりにゆっくり眠れるなと思ったら、気付けばいつもの白い空間。
この前は少ししかいられなかったから、今日はゆっくり話が出来ると思うと嬉しくなった。
いつものようにソファーと机を用意する。
あれ？いつもよりソファーが小さい？
これ、触れちゃわない？
今日は長く過ごしたいのに…！
違うソファーを願っても同じようなサイズが出てくるばかり。
こんな事、初めてだ。
そんな事を思っていると、Aがやって来た。
この事を伝えると彼女も同じ事をしたけど、結果は同じだったので諦めて腰掛けた。
いつもは大人1人分空けて座るソファー。
今日は子ども1人座れるかも怪しい。
MG「元気にしてた？この前はバタバタして、ごめん」
「全然！忙しかったんだね。お疲れさまでした！」
MG「ありがとう！…最近いろんな事があり過ぎたよ…」
甘えた事言ってるなって自分でも思う。
いろんな事の中には現実のAの事も含まれてるけど、これに関して大変なのは俺の心であって、決して彼女のせいじゃない。
「そうなんだね…何か力になれたら良いんだけど…」
こんな甘ったれにも優しいA。
MG「Aがそばに居てくれるだけで力になるよ」
そう書いて、コテンと彼女の肩に頭を預けた。
…ん？ “預けた”？
MG「！！！？？」
バッと音が鳴りそうな程の勢いで身体を起こす。
目の前には目をまん丸にさせたA。
え…？ マジで…？
静かに彼女に手を伸ばす。
Aは緊張した面持ちで俺を見つめてる。
MG「起きたらごめん…」
「…？」
声は変わりなく伝わらないみたいだ。
もし、
もし、ここで目が醒めたら…
さっきの頭に触れた感覚は、何？
心臓がこれでもかと言う程、早鐘を打つ。
ゆっくり、ただゆっくりと手を伸ばす。
彼女まであと数cm、
心臓の音しか今は聞こえない。
彼女の瞳に涙が溜まってきた。
引き返すべきか…
少し手を引くと、Aが首を横に振った。
MG「いいの？」
今度は唇を読んだ彼女が頷く。
覚悟を決めろ、キム・ミンギュ！
ここで勇気を出さなければ、何も変わらない！！
意志を固めて、再び手を伸ばす。
あと数cm、
ギュッと目を閉じて更に伸ばせば、
温かくて柔らかな肌に触れた。
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作者名：chuka | 作成日時：2022年6月14日 17時
