鶴蝶 梵天軸 ページ29
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「カクチョ〜、今日卒業式なんじゃねえの〜?」
「花束でも持って行ってあげればいいじゃん」
一任務終えて、アジトで一息ついていると蘭と竜胆が両サイドに座ってきた。
『…狭い』
「なぁ、鶴蝶のオンナ見たい〜」
「俺も」
こんなに広いソファなのに何故そんなに詰めて座ってくる…?
オレが嫌がっていても関係なし。
『っていうか、なんで今日が卒業式だって知ってるんだ?』
「え〜♡ 聞いちゃう?」
蘭がニヤニヤしながら顔を寄せてくるから遠慮しておいた。
今日は確かにAの卒業式。
高校三年生、来年度から梵天に所属することになっている。
一度、幹部の全員にはAのことを紹介したことがあった。
だから蘭も竜胆も会っているはずなのに、なぜかこの絡まれ様。
「Aちゃん待ってンじゃね?鶴蝶が行かないならオレと竜胆が迎えに行こうか?」
『…俺が行くからいい、』
「鶴蝶がAちゃんの迎えに行くってー!九井!!」
『竜胆やめてくれ…!』
この兄弟はどこまでも性格が悪くて困る。
今日のために、花束と婚約指輪を用意していた。
元々の出会いが孤児院だったため、身寄りのないAを引き取ったのが俺でそのまま付き合う形になった。
家族のいない俺らが反社になることなんてカンタンだった。捨てるものがないから。
同じ痛みを分かち合えて、辛いときも二人ならやっていけると、Aだから思える。
その時が来たら結婚だってしたいと思っているが、まだAは18歳で縛るのもかわいそうと思ってしまってなかなかそういう話ができない。だから、せめて婚約だけという思いだった。
「籍入れねェの?」
珍しく大真面目な顔をしている蘭からその言葉が出てきて少し驚く。
俺だって可能ならすぐにでも入れてAを自分のものにしたいけれど、さすがにそれはエゴでしかない。
なんなら高校という世界を経験したことのない俺からすれば、そこもすごく心配な部分だった。共学なんて、男が何するか分からないだろ…?
可愛いAが嫌な目に遭っていたらどうしようと考える毎日だ。
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小川優(プロフ) - 竜胆の話マジ神、、 (2022年4月4日 11時) (レス) @page35 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
青い猫(プロフ) - 水果さん» うわぁぁぁぁぁぁぁ最高です!!!😭書いてくださってありがとうございます!!読んでてニヤニヤしちゃいました笑 (2022年2月16日 16時) (レス) id: dff601e7bb (このIDを非表示/違反報告)
水果(プロフ) - 青い猫さん» ありがとうございます💜書かせていただきます(^^♪ (2022年2月16日 16時) (レス) id: 84b9c0ff29 (このIDを非表示/違反報告)
青い猫(プロフ) - 続編おめでとうございます!さっそくなのですが、佐野真一郎をリクエストしたいです。シチュエーションは付き合ってて、普段学校ではリーゼントしか見たことない彼女ちゃんがお泊まりの時に下ろした姿見て再度惚れるみたいな感じでお願いします。 (2022年2月16日 10時) (レス) id: dff601e7bb (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 半間さん誕生日おめでとうですね! (2021年10月28日 1時) (レス) @page3 id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水果 | 作成日時:2021年10月11日 1時