東リベ彼氏 2 【 中編集 】

三途春千夜 東卍/梵天軸 ページ3

『お先に失礼します』


学校帰りのバイトが終わった。
10月にもなると夜はとても冷えて、スカートから出る生足が痛い。

裏口からバイト先をでて、携帯をチェックするとメールが届いていた。

三途春千夜店の前で待ってます


送られてきていたのは5分前。
あれ、私今日バイトって言ってあったっけな。

疑問に思いながらも、お店の入り口にまわると長い白髪を靡かせていた彼が立っていた。


『三途、くん、、？』

「あ、Aさん！お疲れ様です」


長くてきれいな髪の毛に黒いマスクを付けた美男子。
美男子なのに喧嘩っ早くて、クソが付くほどの不良。

にっこり笑って出迎えてくれる彼の長いまつげがとても綺麗。


「心配だったので来ちゃいました」


さ、帰りましょ！とあたりまえのように私の荷物を持って、私の手を引く。
別に、心配されるほどじゃないのになあ、と思いながらも黙って三途くんについていく。

可愛い顔してるのに乱暴で、でも私の前ではとても優しい男の子。
口元に傷があって、そんなところもかっこいいななんて思ってしまう。

けど学校も違うし、私は普段の三途くんを知らない
喧嘩で怪我だらけだった彼を一度助けただけですごく懐かれたのがキッカケだった。
好きな子がいるかもしれない、もしかしたら彼女がいるかもしれない


『三途くん、別に毎回来てくれなくても大丈夫だよ？彼女さんにも悪いし』

「は？」


前を歩いてた三途くんがいきなり止まるからびっくりする
驚いた顔して私の顔を覗き込むから後退りしてしまう


『・・・えっと、？』


そんなに美形に覗き込まれたらドキドキしちゃう！じゃなくて、
普通に緊張するし、バイト終わりで顔疲れてるしそんなに見ないでほしい。


「オレ、Aさんのことしかキョーミないんで」


そういって握っている手を強く握り直す三途くん。
あー、そういうところだよ。なんて言えないけど、

私ばっかり本気になっちゃうから。



「(あ〜、早くオレのモンになればいいのに)」

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