半間くんに拾われた 【 半間修二 】

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求めるばかりで、私が口に出したことは一回もなかった。

じぶんのことは棚に上げて、あれこれと欲しがっていた。

なのに、勝手に傷ついて不機嫌になってた。




『は、はんま、く・・・ッ』


「おー？」



『私半間くんがすきだよ、』


「ひゃは♡嬉しーね、好きだぜAちゃん」




どんな言葉で言えばいいのかわからない
無力な本気の恋愛が



『勝手に嫉妬して、不機嫌になってた』


「ん、」


『なんで形のない関係が続くんだろうって思ってた』


「うん、」


『口に出さなきゃ伝わらないもんね、』




背伸びして抱きしめた半間くんはあたたかくて、

愛しくて、大好きで、私を守ってくれる手で

少しゴツゴツしてて、それでもなんだか優しくて

そんな手で私を包んでくれるところも大好きで







「俺、よく怪我すンぞ？」


『また手当てする』


「帰り遅いし、警察にお世話になるようなこともしてる」


『今度から私がそんなことさせない』


「野郎共と喧嘩なんて毎日」


『それは要相談』


「ばはッ、それでも俺の彼女になる？」



涙で顔も声もぐちゃぐちゃで
それでも彼の顔が見たくて

彼の目を見て、しっかりと頷いた。





「今更、嫌なんて言わせねェよ、」




唇にやさしいキスを落としてくれた半間くん。





あの日、半間くんに拾われなかったら

こんな風にはなっていない




喧嘩が強くて、助けてほしいときに絶対助けてくれてくれる人。

顔見るたびに可愛いって言ってくれて、ちょっとえっちな人。

喧嘩して弱ってたら、私に会いに来ちゃうような可愛い人。

綺麗な景色を見つけたら、真っ先に私に教えてくれるような優しい人。

素敵な仲間に囲まれて、暴走族の隊長をしている強い人。



花が散ってしまいそうな、
私の枯れかけた心に愛を与えてくれて

楽しい毎日を送らせてくれた。







『半間くん、大好きだよ』


「ばはッ、俺も」








半間くんに拾われて、本当に良かった。









半間くんに拾われた END

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